地域の話題

塩尻市の原新田区誌 地域の指針に 編さん7年 来春刊行へ

来年3月の刊行を目指して区誌の内容を確認する編集委員

 塩尻市広丘の原新田区が来年3月刊行を目標に、区誌編さんを進めている。平成25(2013)年の着手以来7年がかりで住民の知恵と記憶を結集してきた。区では昔を知る人の高齢化が進む一方、新しい住民が増えている。地域の歴史をつなぎ、まちづくりのよりどころにもなる一冊にしようと、意気込む。

 自然、歴史、民俗、ふるさとづくりの4編で構成し、360ページ程度になる見通しだ。文献や写真などを広く集める一方、80代、90代の住民の座談会を3回開くなど、生きた記憶や証言の収集にも努めた。歌人・太田水穂を生み、多くの歌人が集った「短歌のふるさと」として、関連記事にもページを割く。
 住民約60人で編さん会議を20回重ね、その後は実務者17人の編集委員会を90回以上開いて執筆を進めてきた。4~5月に新型コロナウイルスの影響で作業休止を余儀なくされたが、6月以降は週1回という頻繁な会議を開き、遅れを取り戻した。原稿の読み合わせを2回終え、ようやく完成が見えてきた。
 原新田区の人口は4100人を数えるが、75歳以上が640人を占める。区長の角吉松さん(73)と、編集委員長の水野強さん(78)は「昔のことを分かっている人が減っている。今が区誌発行の最後の機会という気持ち」と思いを語る。「新しく移り住んだ人にも、この一冊で原新田の全てが基本的に分かるという内容にしたい。子供、孫の代のまちづくりの参考書にもなれば」と願う。