政治・経済

松本市のコロナ禍の経済対策 下支え効果

 松本市が新型コロナウイルスの影響で落ち込む地域経済を活性化させようと対策に取り組んでいる。キャッシュレス決済会社と連携して先月17日に始めた消費喚起のキャンペーンは約1カ月間で11億円を超える決済利用があり、飲食店や小売店での消費拡大に貢献した。新型コロナ対策特別資金の融資は総額191億円を超え、苦境に陥った事業者の救済につなげている。キャンペーンは10月末まで、特別資金は来年3月まで実施しており、市は企業支援と消費拡大の両輪で景気浮揚を図っていく。
 

 キャンペーンはキャッシュレス決済システムのPayPay(ペイペイ)を活用して市内の店舗で飲食や買い物などをすると、最大30%相当のボーナスポイントが付与される内容だ。市商工課によるとスタートから今月18日までの決済額は約11億5640万円で、1日平均約3610万円の利用があった。1カ月後に付与されるポイント還元額は2億4330万円に上る。決済利用できる店舗は2600カ所まで増えた。市はさらに利用を増やそうと松本駅の自由通路にキャンペーンの横断幕を掲げてPRしている。
 市の新型コロナ対策特別資金は、事業収入が減った中小企業や個人事業主を対象に、運転資金を貸し付ける制度で、3月に創設された。5月末の段階で100億円を超える融資を実行しており、緊急事態宣言による外出自粛で経済活動が滞った時期に、飲食店や宿泊事業者が融資を受けて倒産や廃業を防ぐ役割を果たした。その後、経済活動は持ち直しつつあるが、業績が苦しくなった建設業や製造業の融資が増え、10月15日時点で1550件、191億5030万円の融資が実行された。
 市商工課によると、制度資金の融資を受けた中小企業などの倒産は「今のところ聞いていない」という。今後も消費拡大と企業経営の安定化に向けて必要な措置を検討する方針で、臥雲義尚市長は「観光客が減る冬場に向けて、消費喚起や経済支援をどうするか検討していく」と話している。