政治・経済

五輪見据え84店が魅力向上へ改修 松本市の補助金 運用終了

 東京五輪に向け、ユニバーサルデザインを取り入れた改修を行う店舗を支援する松本市の補助金が、昨年度で5年間の運用を終えた。国籍や障害の有無を問わず、誰もが使えるようにする趣旨で、中心市街地を中心とする84店舗(旅館などを含む)が、トイレ洋式化や店内の段差解消などに利用した。市商工課は「多くの店に活用されて集客につながり、もてなしの準備が進んだ」とみる。

 市単独の「商店等グレードアップ事業補助金」として、立地によって改修費の3~5割を上限100万円で助成した。制度が始まった平成27(2015)年度は10件、28年度と29年度は各12件、30年度は18件の利用があった。昨年度は駆け込み効果で32件と多く、想定以上の申請に予算を2度追加した。補助額は5年間で4761万円となった。
 改修した店の約7割が飲食業、2割が小売業で、中心市街地の店舗が目立った。トイレ改修が56%と最多で、出入り口や屋内の段差解消が17%、出入り口の扉改修が12%と続いた。スロープや手すりの設置、床の滑り止めなどをした店もある。
 浅間温泉街にある温泉旅館「富士乃湯」は、利用客の高齢化やキャリーバッグを持つ客の増加に対応して昨年度、玄関の石畳を平らにし、ドアを手動から自動に切り替え、椅子式の階段昇降機を付けた。費用の半額に補助金を充てたといい、二木伸次代表(54)は「これで高齢の方も安心して部屋に行ける。お客の選択の幅が広がった」と喜んだ。
 本年度は、小規模事業者に対する国の持続化補助金に市が補助を上乗せし、新型コロナ対策の一環で改修などを支援している別の制度を実施している。市商工課は、来年度も継続することを視野に検討している。