教育・子育て

セカンドブック伸び悩み 塩尻市の幼児向け絵本寄贈事業

0歳児に比べて配布率が低い3歳児の絵本寄贈事業。今後どう運用するのかが課題だ

 塩尻市が、市内の3歳児に絵本を贈るセカンドブック事業「なかよし絵本」の配布率が、6割程度にとどまっている。事業開始から5年がたった昨年度は対象526人のうち311冊を贈ったが、配布率は過去最低の59%だった。来年度から5年間の「第3次塩尻子ども読書活動推進計画」の策定に当たり、市立図書館は絵本寄贈事業のあり方を再検討している。

 セカンドブック事業は平成27(2015)年度に始まった。3歳児の健診会場で保護者に引換券を手渡し、図書館に本を取りに来てもらっている。30年度までの配布率は63~69%で推移していた。
 引換券の方式を採用する理由の一つとして、親子を図書館へ誘導する狙いがある。受け取り忘れがないよう市の広報紙やポスターで周知もするが、数字の伸び悩みからは、図書館への保護者の関心の薄さもうかがえる。
 本年度はコロナ禍を受け、健診の受診通知に引換券を同封して健診会場で直接本を渡す形にしたところ、9月末時点での配布率は8割に高まっている。一方、新生児を対象に14年度に始まったブックスタート事業「こんにちは絵本」は、健診会場で本を渡しているため、毎年対象者のほぼ全員が手にしている。
 昨年度実績で、市立図書館に利用登録した市民は2万2757人と市の全人口の34%を占める。3歳児が図書館に来る機会は、決して少ないとは言えない。
 ただ本を配るだけではなく、いかに就学前の児童に本と出合う機会や環境を提供できるか、保護者の関心が向けられるかが課題だ。寄贈はあくまで本に触れるきっかけづくりで、上條史生館長は「絵本を通じて親子のコミュニケーションを図ってほしい」と願う。