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安曇野市天蚕振興会 機織り機の提供呼び掛け

 天然の蚕「天蚕」の保護や後継者育成に取り組む安曇野市天蚕振興会が、家庭で長く使われずに眠っている機織り機の提供を求めている。7月に穂高有明の市天蚕センターで始まった機織り養成講座に関連し、受講者が修了後も継続して技術を磨いたり作品を展示販売したりする拠点を設ける考えだが、機織り機が不足している。振興会は「寄贈していただいて伝統文化に生かしたい」とする。

 天蚕センターには機織り機が10台ほどあるが、いずれも工房で作品製作や養成講座などで使われている。1台50万円近くもする高価な品で、簡単には購入できないという。
 養成講座では2年間の課程で天蚕糸を使った反物の織り手を育てており、県内外の応募者20人以上の中から選ばれた市内在住の30~50代の女性5人が毎週日曜日に腕を磨いている。機織りの技術を向上させるには何年も継続して取り組む必要があるため、振興会は受講生の講座修了後の受け皿として拠点の設置を構想している。
 拠点の場所は未定だが、令和4年6月ころまでにはめどを付けたいという。田口忠志会長と浅川幸男事務局長は「機織り機は早めに集めておきたい。不要になっていれば燃やされてしまう。そうならないうちに1台でも2台でも集めることができれば」と提供協力を呼び掛けている。
 振興会によると、天蚕は穂高有明地区で江戸時代の天明年間(1781~88)に飼育が始まったとされる。白い絹糸が取れるカイコガの幼虫ではなく、緑色の糸が取れるヤママユガの幼虫で、山野でナラやクヌギの葉などを食べる。天蚕糸にはつややかで優美な光沢があり、最高級織物原料として珍重されている。一度途絶えた天蚕飼育を旧穂高町が農家の協力で復活させて受け継がれている。
 問い合わせは天蚕センター(電話0263・83・3835)へ。

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