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月の観察自宅で熱中 島内小6年生望遠鏡自作

天体望遠鏡を使う練習で校庭の景色を見る児童たち

 松本市の島内小学校6年生約110人が、理科の授業で国立天文台(東京都三鷹市)と連携し、自宅で天体観測を体験する学習を進めている。児童一人一人が自作した天体望遠鏡を自宅に持ち帰り、夜に月の観察に取り組んでいる。児童たちの月への興味や関心が高まり、テストの正解率も上がるなど成果が出ており、新しい学び方として注目されそうだ。

 授業では天文台が開発したキットを使い、児童がレンズやチューブなどの部品を組み立てて望遠鏡を作る。完成品は長さ45センチ、レンズ直径5センチ、重さ265グラム。倍率は16倍と66倍で、月の表面などを見ることができる。
 このほど4組の授業で望遠鏡を使う練習をし、児童たちは校庭の景色を見た。清水ゆきさん(11)は木の葉やクモの巣を見て「いつもの景色が違って見えておもしろい」と話し、犬飼杏咲さん(11)は「クレーターを見るのが楽しみ」と笑顔を見せた。
 島内小の瀧澤輝佳教諭が昨夏に教員免許更新講習で国立天文台の縣秀彦准教授と知り合い、昨年度の授業で試験導入した。学習効果を調べたところ、児童全員が自宅での月の観察に成功し、アンケートでは「思ったよりクレーターがあってびっくり」「自分で見るのが楽しい。星も見たい」と関心の高まりが見られた。本年度から本格的に実施している。
 天体観測は時間帯が限られ機材も必要になる中、瀧澤教諭は「本物を見て感動してくれたことが一番うれしい。素晴らしい天体学習環境がある長野県の理科教育にこの方法が広がれば」と願う。
 島内小の事例は先月の日本天文学会秋季年会でも発表された。縣准教授は「天体観測が子供たちの身近になる第一歩になった。新型コロナの影響で学習方法も変化している。自宅で有効な体験学習になれば」と期待する。