地域の話題

新たな風穴 上高地で発見 稲核の保存会 情報を提供 専門家が現地調査

上高地で新たに確認された風穴。10月上旬の調査でも気温8.4度に対し風穴内は3.2度だった

 松本市安曇の山岳景勝地・上高地の上高地バスターミナル付近に広がる森林内に、冷風が吹き出す天然の冷蔵庫「風穴」が、このほど行われた専門家の調査で新たに見つかった。風穴は安曇の稲核地区で34カ所が確認されているが、上高地の一帯で見つかるのは珍しい。

 見つかった風穴は標高約1520メートルの森林内の斜面にあり、角張った閃緑斑岩などの岩石の隙間から冷風が吹き出している。冷風の影響で、周辺には標高1700メートル以上の亜高山帯・高山帯に分布するゴゼンタチバナが群生している。
 風穴の保存活動に取り組む「稲核風穴保存会」が、清水長正・駒澤大学講師=自然地理学=に情報を提供した。8月下旬に現地調査が行われ、周囲の気温が21.7度だったのに対し、風穴内の温度は0.6度と20度以上の差が見られ、風穴だと確認された。
 森林内にあるため観光客が見るのは難しいが、上高地にはほかにも、岳沢の風穴や、小梨平近くの「中川風穴」がある。保存会の有馬正敏会長は「風穴は養蚕などの地域の歴史に深い関わりがある。新しい風穴の発見をきっかけに、関心を持ってくれる人が増えれば」と話していた。