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多様な性高校でも尊重 県ケ丘高で生徒発案して更衣室に仕切り

 松本県ケ丘高校の男女別更衣室に、生徒の提案で「個室」が設けられることになった。性的マイノリティー(少数者)をテーマに研究している探究科3年・古川蘭さん(17)が「性別のバリアーを減らしたい」と考え、杉村修一校長に提案し、校内の施設委員会や教職員の同意を得て、実現の運びになった。古川さんは「同性同士でも抵抗を感じる人がいる。生徒"全員"が過ごしやすい学校環境を少しずつ作っていけたら」と願う。

 更衣室は男女別に各1棟あり、体育の授業の着替えに利用される。建物の扉とは別に、出入りの際に外から見えないようにカーテン1枚が掛けられているが、室内に仕切りはない。
 新しい個室は、室内の一部をカーテンで仕切って空間をつくり、男女別に2カ所ずつ設ける。古川さんが設計し、事務職員や校務技師の協力で発注や設置作業を進めている。
 古川さんは、性的少数者がメディアなどで取り上げられるようになって関心を寄せてきた。文部科学省の調査結果などを調べ「体は女性でも心は男性の場合、着替えの時に視線を遮るものがなく見るのも見られるのも抵抗がある」などといった声があることを知った。
 個室の設置について、古川さんが同校の生徒にアンケートをしたところ、半数以上が「使いたい」と回答した一方、「本当に必要か」という声もあった。少数者だけに焦点を当てず、さまざまな人の視点に立つことを心掛けた。当初はパーテーションの設置を考えたが、使わない人の妨げにならないよう伸縮するカーテンを選んだ。杉村校長は「誰でも過ごしやすい学校づくりの提案に納得した」と話す。
 古川さんは「形になり感謝の思い。他校でも同じ悩みがあると思うので参考にしてもらえれば」と願い「少数者を特別扱いせず、気兼ねなく過ごせる環境をつくりたい」と話す。活動は後輩に引き継ぎ、今後、校内の多目的トイレも使いやすい装飾などをする予定だ。