連載・特集

2020.10.3みすず野

 松本の中町を車で通り抜けようとして渋滞にはまる。通りの両端を観光客が歩き、ひときわ目立つ水玉模様の路線バスがのろのろと進む。いっそ週末と祝日だけでも通年の歩行者天国を目指してはどうだろうか。先週末にあった「トランジットモール」の様子を紙面で見て、そう思った◆10月3日は昭和46(1971)年に東京都八王子市で、自家用車の利用自粛を呼び掛ける日本初の「ノーカーデー」が行われた日だとか。大気汚染が問題になっていた。掲げた「交通戦争一日休戦の日」のスローガンにも時代が映る。いらい全国へ広がった運動の歩みも、はや半世紀◆いま環境省が振る旗印は地球温暖化防止だ。自治体では成果をガソリンや二酸化炭素の削減量に換算して数値化したり、脱マイカーに取り組んだ事業所を表彰したり。公共交通機関の運賃割引や商店への誘客につなげる試みもネットで見た◆十数分も待てば次の電車が来る都会とは事情が違うし、道が狭い城下町の宿命もある。小欄の提案は予算も周辺住民のことも考慮しない机上の空論だとしても、車の流れをどうさばき、街を巡ってもらうか。さらに知恵を絞りたい。