連載・特集

2020.10.20みすず野

 大概の企業が60歳定年、65歳までの再雇用制度を敷く。これが将来、65歳定年、70歳まで再雇用となったとしても、定年後給与は半減するのが一般的だ。定年時に住宅などのローンが完済でき、退職金の多くを老後資金に回せれば、これは理想的。給与が半減しても、生活費を抑えながらやって行ける◆だが、晩婚化が進み、子どもの自立年齢も上がる昨今、定年時のローン完了はかなり難しい。先日、日本経済新聞が、住宅ローンの完済年齢が平均73歳(この20年間で5歳上昇)になった、とトップ記事で伝え、正直驚いた。平均が73歳である。70を超えてなお、ローンのために働き続けなければならない人が増える◆さらに記事は、60歳時点のローン平均残高が20年間で、700万円から1300万円に増えたとも。これでは「老後破産」のリスクを冒して家を買ったことになる。融資する側も十分配慮すべきだ。一方で空き家は急増しており、そうした中古住宅を改修して住む方向に誘導できないものか◆超高齢社会が訪れ、老後破産はふつうに働いてきた人にも起こり得る。せめて70歳でローン完済の人生設計を立てるようにしたい。