連載・特集

2020.10.15みすず野

 「新聞の時代よ、さようなら」のキャッチコピー(印象的な宣伝文句)が、10年ほど前にあったそうだ。続く文句は「ネットの時代よ、こんにちは」ではなくて、「腐敗の時代よ、こんにちは」だった。米国の話である◆米国各地で新聞が部数を減らし、場所によっては消滅しているが、その新聞が消えた地域は、報道されない安心感から政治の腐敗が進み、言論の多様性が失われ、コミュニティーの崩壊も起きている(鈴木伸元著『新聞消滅大国アメリカ』幻冬舎新書)。ネットによる地域ニュースは限られるうえ、掘り下げた報道ができにくい。監視の役割を担えないというのだ◆きょうから、日本新聞協会主催の新聞週間が始まる。読者と新聞の結びつきを強め、言論・報道の自由を守り、新聞への理解を深めてもらう目的で、GHQ(連合国軍総指令部)占領下の昭和23(1948)年に開始された。期間中「全国新聞大会」を開催、日本新聞協会賞の発表などをおこなっている◆新聞を取り巻く状況は、厳しいものがあるとはいえ、小紙もあらためて原点に立ち返り、日々その役割を果たし、当地の進展とともに歩んでゆきたい。