連載・特集

2020.10.14みすず野

 早いものである。長野市の千曲川の堤防が決壊し、家々や田畑が濁流にのみ込まれて、1年の月日がたった。どこまで復旧が進んだのか。移住を余儀なくされた人もいるに相違なく、住民の気持ちは前に向かっているだろうか◆昨秋の台風19号による記録的な豪雨は、東日本の至る所で河川の氾濫や堤防の決壊をもたらし、1万棟以上が浸水、うち9000棟以上の全半壊があったとされる。千曲川の決壊は、すぐ下流で川幅が、5分の1程度に狭まる地形が影響したようだ。松本平を南から北に流れる奈良井川、多くの支流を集めるこの川は心配ないのか◆記録によると、奈良井川は「荒れ川」として知られ、支流を含めると戦後、数年に1度くらいの割合で堤防の決壊、家屋・田畑の浸水を繰り返してきた。昭和34(1959)年8月の台風7号による女鳥羽川の氾濫は、松本市街地に甚大な被害をもたらした。年配者には忘れられない記憶であろう◆その後女鳥羽川は大改修され、災害は収まるけれど、奈良井川は急激に川幅を狭めている個所が最下流にある。豪雨災害は巨大化、広域化する傾向が強まっている。備えはしておかねば。