連載・特集

2020.10.10みすず野

 鵬雲崎のカツラが枝先から色づき始めていた。当地の紅葉便りは乗鞍岳や御嶽山を起点に、赤や黄の絵の具が入ったバケツをひっくり返しながら里へと駆け下る。国道に沿った梓川やダム湖周りの山も程なく〈裾模様〉に〈織る錦〉◆漢詩の意訳〈「サヨナラ」ダケガ人生ダ〉で知られる井伏鱒二は、柳宗元の五言絶句〈柳州蛾山に登る〉を〈アキノオンタケココノツドキニ/ヒトリノボレバハテナキオモヒ/ワシノ在所ハドコダカミエヌ/イヌヰノカタハヒダノヤマ〉とうたった。秋の山の物寂しさが効いている◆10月10日は「○○の日」が多い。転倒(テン、トオ)を防止して、ジュージュー(十十)とお好み焼きを作り、パソコン画面で疲れた目(一〇・一〇の形から)をいたわる。1010(セントオ)で銭湯の日。松本の四ツ谷東の下宿近くにあった銭湯は何の湯だっけと、昔を懐かしがり「果てなき思い」◆台風14号の進路から目が離せない。前線の活動も活発になる見込みといい、気象庁が大雨や暴風への注意を促す。たわわに実ったリンゴに被害がないことを祈るのみ。通り過ぎたら紅葉狩りに烏川渓谷へ足を運んでみたい。

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