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コロナ禍に人形劇の力 松本の木島知草さん毎月上演

自宅で開いた「10円劇場」で紙芝居を読み上げる木島さん

 命や性、人権などがテーマの人形劇を全国各地で上演している木島知草さん(67)=松本市井川城3=が、自宅で毎月1回、子供10円、大人100円で人形劇や紙芝居を楽しめる「10円劇場」を開いている。コロナ禍で舞台芸術やイベントの中止が相次ぐ中、「今だからこそ芸術の力が必要」と、訪れた人たちに心温まるひとときを提供している。

 10円劇場は人形劇歴48年になる木島さんのライフワークの一つだ。自宅の一室に構える「がらくた座」で、歌や楽器、手話を交えて命や平和の大切さをわかりやすく伝える。
 このほどあった10円劇場には、3~92歳の15人ほどが訪れた。手袋で作った二つの人形が登場する劇では人形が互いを知りながら友情を育む物語を、赤ちゃんを模した人形を使った劇では命が生まれる過程を演じた。観客も人形の問いかけに答えながら、夢中になって見入っていた。近くの笠井蓮乃さん(8)=鎌田小学校2年=は「今回で3回目。手話と人形劇が楽しい」と笑顔だった。
 訪れる親の中には木島さんの劇を見て育った「元子供」たちも多くいる。始めた頃は「ちいねえさん」だった木島さんの愛称は、今では「ちいばあ」になった。木島さんは「生の人形劇だからこそ伝えられることがある。コロナ禍でも、どんな小さな場でも、望まれれば駆けつけて演じ続けたい」と話していた。