政治・経済

基準地価 松本の商業地平均は横ばい コロナ禍でも下落回避

 県は29日、土地取引の指標となる令和2年の地価調査(基準地価、7月1日現在、1平方メートル当たり)の結果を発表した。松本市の商業地全7地点の平均変動率は、ホテル需要の高まりや大型商業施設の開業などの影響で前年に28年ぶりに価格が上昇に転じていたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で横ばいとなった。観光客の減少や消費低迷の影響が商業地に出たものの、県内19市の中では安曇野市との2市が前年に比べて平均変動率の下落を回避し、景気後退から踏みとどまっている現状にある。

 県内商業地の継続調査地点は111(51市町村)。上昇した地点が前年の16地点から13も減って北佐久郡軽井沢町と北安曇郡白馬村の計3地点となった。松本市の6地点、安曇野市の4地点、塩尻市の3地点を含む計33地点が横ばいとなり、他の75地点は軒並み下落した。
 松本市の商業地は前年まで訪日外国人観光客の増加による市街地のホテル需要の高まりや平成29(2017)年9月に開業した大型商業施設・イオンモール松本の集客などがプラス要因として働いていたが、コロナ禍の影響を受けて全7地点のうち6地点が横ばい、1地点が下落した。
 調査に携わった信州不動産鑑定(上田市)の寺沢秀文鑑定士(66)は「松本はコロナ禍によって訪日外国人観光客の激減が影響した」と分析しつつ「ただ、県内19市の中ではプラスマイナス0というのは一番良い数字であり、コロナ禍の中で健闘しているといえる。観光需要が戻れば回復も見込める」とする。

 住宅地では、松本市の17地点と塩尻市の4地点、安曇野市の4地点で価格が上昇した。平均変動率は松本市が横ばい、塩尻市がプラス0・2%、安曇野市がマイナス0・1%だった、3市とも前年まで3年連続の上昇だったが、コロナ禍の影響で松本市と安曇野市は回復傾向が頭打ちとなった。中山間地域の下落幅は大きくなっており、二極化が進んでいる。
 前年に21年ぶりに上昇した山形村は横ばいとなったが、高齢化率は低く抑えられているといい、寺沢鑑定士は「大型商業施設があり、現役世代によるベッドタウン化が進んでいる」と分析する。