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松本駅6番線の駅そば閉店へ 利用客に愛され30年余

出来上がったそばを受け取る登山客

 JR松本駅の6番線ホームにある立ち食い駅そば店が今月末で閉店する。旧国鉄時代に営業を始め、通勤・通学客、大糸線やアルピコ交通・上高地線で山へ向かう登山客らに安さと早さに加え、味が「6番線のそばが一番おいしい」と愛されてきた。近年は来店客が減少傾向にあり、新型コロナウイルス感染拡大による登山・観光客の減少が追い打ちとなって、惜しまれつつ30年以上の歴史に幕を閉じる。

 店舗を運営するJR東日本リテールネットによると、そば店は国鉄が民営化された昭和62(1987)年の少し前から現在の場所で営業を始めた。東西自由通路とアルプス口が整備される前は、店の脇に改札口があり、昼時は順番待ちの列ができるほど多くの利用があった。改札口が移動してから徐々に利用が減り、コロナ禍で春以降は来店客数が前年の3分の1程度となった。今後も完全な回復は見込めないとして8月に閉店が決まった。
 店舗は平成19(2007)年に改装されたものの、使い古されたカウンターなどは開店当時のままで、店内には古いポスターや鉄道をテーマにしたボードゲームなどが飾られて旅の風情がある。1番線ホームにある新しいそば店とは同じ麺とつゆを使っているが、こちらの方がおいしいと話す人も多いという。
 最近は閉店を知り、高校生の時によく食べたなどかつてのファンが多く立ち寄っている。18日も、車を使って食べに来たという安曇野市の男性が「最後に一度食べたかった。寂しくなる」と話していた。ホームのそば店で22年間働いてきた小澤総江さんは「昔のことを思い出すと寂しくなるが、たくさんの方に食べてもらうことができた」と感謝していた。