地域の話題

蘇南高生 満蒙開拓の苦難体験者から聞く

満蒙開拓の歴史について体験者の話を聞く生徒

 蘇南高校(小川幸司校長、180人)は17日、同校で、第2次世界大戦の終戦まで行われた満蒙開拓の歴史と人権を学ぶ全校講話を開いた。移民として満州(現在の中国東北部)に渡った可児力一郎さん(88)=南木曽町田立=を招き、生徒たちは当時の様子に思いをはせながら今後の生き方の参考にした。

 歴史が専門の小川校長と可児さんのリレートーク形式で行われた。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で集会形式は取らず、2人が教室にいる生徒たちに向けて放送を使って呼び掛けた。
 小川校長が、満州の入植者が終戦後に受けた悲惨な体験や、混乱の中で集団自決があった事例を紹介した。8歳で家族とともに渡満した可児さんは戦後しばらく中国で暮らし、現地で培った技術を帰国後の生活の糧にしたという。可児さんは「講話を通してこれからの平和活動につなげていってほしい」と願っていた。
 満蒙開拓の経験者の高齢化が進み、次の世代に経験を語り継いでいくことが年を追うごとに難しくなっている。講話では体験者が戦後をどのように生きてきたのかを感じ取る点にも焦点を置いた。林孝紀君(17)=3年=は「戦争の本当の怖さは分からないが、きちんと学んで伝えていくことが大事」、野口新史君(17)=同=は「終戦時、国から存在を忘れられた人たちがいたことは、今の世の中では考えられない」と感想を話した。