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三郷やすらぎ空間施設 存続の岐路に

今後のあり方が課題となっている三郷やすらぎ空間施設(休業中)
 安曇野市三郷温で農業・食文化体験などができる「市三郷やすらぎ空間施設」が、存廃の岐路に立たされている。新型コロナウイルスの影響で来年3月末まで休業中で、指定管理者が現在の業者を含めて過去4代にわたり撤退する事態となっているほか、来年度以降の指定管理者の募集に応じる業者はいなかった。市は施設の今後のあり方を検討する必要に迫られている。  
 施設は穂高有明と松本市梓川地区を結ぶ広域農道沿いにあり、5町村の合併で市が誕生した翌年の平成18(2006)年に開設された。4659平方メートルの敷地にレストランや農産物加工体験室、農園などがあり、中信地区で最古級とされる江戸時代のかやぶき民家が施設の一部として移築再生されている。  指定管理者制度は21年度に導入された。市はおおむね3年間を指定管理期間としてきたが、いずれも期間満了または満了前に業者が撤退した。周辺には飲食店や物販店などが集中していて誘客的には比較的好立地と考えられているが、利益が出せない明確な原因は分からないという。  現在の業者も来年3月末の期間満了で指定管理者から退く。市が今年7~8月に募集した来年度以降の指定管理者にも応募しなかった。この業者は取材に対し「経営は厳しかったが、長い目で見て知名度を上げてお客さんに来てもらえるように考えていた。コロナの状況が撤退を後押しした」と説明した。  施設の現状と今後の対応を巡っては、15日の市議会9月定例会一般質問で林孝彦氏(無会派)が取り上げたほか、16日の議案質疑で小松洋一郎氏(自民安曇野)が「これ以上今のスタイルで継続するのはかなり難しいと考える」と指摘した。農林部の高嶋雅俊部長は一般質問で「根本的にあり方を検討しなければならない状況と考えている」とした。  市は今後、指定管理者の継続か施設の廃止か、他に方策があるのかどうかなどを検討していく。施設建設の総事業費は約1億4700万円で、このうち6000万円が国庫補助金で賄われている。仮に、令和8年度末までの処分制限期間内に廃止となれば、補助金の一部を国に返還する必要があるという。

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