地域の話題

障害者の就労施設苦境に 店舗からの注文ストップ

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、障害者の働く場が苦境に立たされている。自主製品を扱ってくれる店舗が営業自粛をしたり、販売会が中止になったりして、心を込めて作った商品が消費者の手に触れる機会が減っている。売り上げの減少で利用者の賃金(工賃)を減らさざるを得ない就労支援事業所もあり、各事業所は利用者の雇用を守りながらコロナ禍を乗り越えようと模索している。

 障害者の就労支援などに取り組む多機能型事業所「ドリームワークス」(松本市神林)は4月以降、売り上げが前年の5割ほどに落ち込んだ。同月の緊急事態宣言を受けて、主力商品の「天然酵母クッキー」や「信州みそガレット」などを扱ってくれている店舗からの注文が一時ストップした。松本山雅FCのホーム戦に合わせて開いてきたイベントでの販売会もできず、予定も白紙の状態だ。
 売り上げが半減した状態が続いているが、小野澤ハレル施設長は「事業所で仕事に取り組む利用者の生活のルーティンを崩さないこと」を心掛けているという。賃金は半分ほどに落ち込むが、働いている障害者が戸惑わないように「普段どおりの生活」を続けている。利用者の女性(23)は「仕事は楽しい。ディズニーランドやコンサートに行けるように頑張りたい」とほほ笑んでいた。
 今後はインターネットを活用した販売や、商品を常設してくれる店舗の新規開拓にも努める。小野澤施設長は「利用者のモチベーションが下がらないように今ある仕事に誠実に取り組んでいきたい」と話している。
 県障がい者支援課は6月、新型コロナの影響を把握するため、県内で障害者の就労支援をしている事業所などにメールでアンケート調査を実施した。中信地方では売り上げが3~5割ほど落ち込んでいる事業所が多く、特に旅館などに割り箸やつまようじなどの品を納める事業所の影響が大きく見られたという。調査を取りまとめた県セルプセンター協議会の細田利文さんは「自助努力だけでなく県の補助金も活用してほしい」と話していた。