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県町遺跡で薄川の氾濫跡見つかる 防災を考える参考に

発掘現場。弥生時代の地表面(人が立っている黒い土の部分)をえぐるように川の流れの跡が見つかった


 松本市教育委員会が県1の県道拡幅用地で進めている県町遺跡の第21次発掘調査で、平安時代(約1000年前)に薄川が氾濫して弥生時代(約2000年前)の地表面を削ってできた川筋の跡が見つかった。一帯は薄川の扇状地で、薄川を形成する川筋の1本が当時、市あがたの森公園から西側の大型商業施設・イオンモール松本に向けて流れていたことを示している。

 発掘調査は、県道松本塩尻線に沿った約500平方㍍の範囲で東側から順次行われている。深さ約1.8㍍の位置に弥生時代の地表面があり、その地表面をえぐるようにして砂や石が堆積した川筋の跡が見つかった。対象用地の東側から川筋跡の北岸が、中央付近から南岸が出ており、川筋の幅は10㍍近くあったと推計される。
 現在の薄川には堤防が築かれ、発掘現場より400㍍ほど南側を流れている。市文化財課埋蔵文化財担当の澤柳秀利さんは「薄川が今はこっち(発掘現場方面)まで流れてくることを心配する人はいないだろうが、かつてはあちこちに流れていた」と語る。大雨に起因する水害が各地で発生する中、昔の川の流れを知ることは今後の防災を考える上でも参考になりそうだ。
 県町遺跡は主に弥生時代と平安時代にあった「ムラ」の跡で、あがたの森公園を中心に東西・南北それぞれ700㍍以上にわたって広がっている。今回の調査は第21次で、今年5月から10月までの予定で行われている。これまでに、弥生時代の竪穴住居跡や平安時代の土器片、馬の骨などが出土している。

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