連載・特集

2020.9.8みすず野

 松本市出身の映画監督・山崎貴さんの出世作で、日本アカデミー賞最優秀作品賞など数多くの賞に輝いた「ALWAYS 三丁目の夕日」は、昭和33(1958)年の東京下町を舞台にした庶民の心温まる物語だ◆15年前に作られ、続編(2作)もある。象徴的なのが遠目に見える建設中の東京タワー。ほかに上野駅や都電、オート三輪など当時の車、商店街、細かな商品、日用品に至るまで、見事に再現されていた。オープンセットと各地から集められた本物の品々を駆使して。冷蔵庫が初めて家に据えられ、「どれどれ」と家族が交互に顔を中まで入れて確かめるシーンなどさもありなんだった◆小説家を志す主人公は、祖母から継いだ小さな商店で生計を立てていた。そこに近所の子どもたちが小銭を握りしめて集まり、おまけが当たる駄菓子を買って遊ぶ。確かに昭和30年代は、こんな店が所々にあり、アイスクリームだの菓子だの買って食べるのが楽しみだった。たばこを買いに行かされもした◆木曽町福島の観光案内所に、駄菓子コーナーが登場し、現代っ子に人気だそうだ。昭和は遠くなりにけりのいま、訪ねてみたいと思う。