連載・特集

2020.9.21みすず野

 ある民間の調査によると、長寿はめでたいか、と年代別に尋ねたところ、特に女性は年代が上がるにしたがって、「めでたい」と答えた人の割合が下がり、80代、90代は半数以下だった。夫に先立たれ、一人残されて孤独を感じている人が多いのでは、との分析だ◆長生きしたことで、家族などに迷惑をかけている、かけたくないとの意識が強いとも。いまや70代は長生きとは言えず、元気に仕事を続けたり、生き生き趣味を楽しんだりする人が多い一方、病気や認知症を発し、介護を要する人も増えている。身心の健康度に大きな個人差が生じ、これが現実である◆私たちは「幸せな長寿社会」が来ると信じ、現役時代は懸命に働き、家庭を築き、子どもを育ててきた。そして世界一の長寿社会を実現したのだが、同時に少子化が進んで、安心して暮らせる幸せな社会とはならなかった。コロナがそれに追い打ちをかけた◆若者が将来に希望の持てる、根底に優しい人間関係のある、長生きしてよかった、と思える"成熟社会"を作り上げられないものか。さまざま枠を超えた連携がいっそう大事になろう。「敬老の日」に考えてみた。