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木曽郡南部でナラ枯れ拡大 危惧する3町村が伐倒駆除へ

 上松町南部と大桑村、南木曽町の国道19号沿いの山で、ナラ枯れが目立ち始めた。本年度は昨年度よりも被害が多いとみられる。3町村は県の補助金を活用して伐倒駆除をする予定だが、被害の拡大を危惧している。

 ナラ枯れはカシノナガキクイムシが運ぶ病原菌による伝染病で、ミズナラなどのブナ科の樹幹に繁殖することで枯れてしまう。高温で乾燥する梅雨明けから8月中旬にかけて急速に枯れる場合が多い。県木曽地域振興局林務課によると、南木曽町では平成24(2012)年度、大桑村では25年度、上松町では令和元年度に初めて確認された。
 上松町は本年度、昨年度から被害が出ていた倉本区で、県の補助を受けて秋以降に燻蒸処理をする予定だったが、町産業観光課は「昨年よりひどい状態。思いのほか広範囲に広がってしまった」と危機感を募らせる。
 コナラ、クヌギなどが被害に遭うため、ドングリを餌とする熊への影響が懸念されるが、振興局の森林保護専門員・山内仁人さんは「熊が里へ出没する可能性との因果関係は把握していない」と話している。熊の生育環境の保全や人との共存に向けた啓発活動に取り組むNPO法人・信州ツキノワグマ研究会(松本市)によると、ナラ枯れの範囲が広がると、ゆくゆくは熊の生息環境に影響する可能性が高まってしまうかもしれない。
 全国的にナラ枯れ被害は平成22年度をピークに減少傾向にある。郡内の民有林に占めるナラ類の割合は3・5%で、昨年度の被害は35立方㍍(60本)だった。