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上高地で熊に襲われけが 小梨平でキャンプ中の女性

熊によるけが人が出たのに伴い閉鎖された小梨平キャンプ場(9日午前1時30分ころ)
 松本市安曇の山岳景勝地・上高地の小梨平キャンプ場で8日深夜から9日未明にかけて、食料をあさろうとしたツキノワグマ1頭が宿泊中のテント4カ所を次々と襲い、1人用テントにいた県外の50代女性が右足を爪で引っかかれて病院に運ばれ10針を縫うけがをした。熊は体重約80キロの成獣とみられ、9日午後6時現在、捕獲されていない。8日夜は約300張りのテントでにぎわったが、同キャンプ場を運営する日本アルプス観光は9日、キャンプ場エリアを熊捕獲まで閉鎖することを決めた。
 同キャンプ場などによると、熊は8日午後10時半ころ県外客の夫婦2人が宿泊するテントを荒らして逃げ、その際に近くのテントで宿泊中の20代男性の左足を踏みつけた。さらに9日午前0時ころ、けがをした女性の一人用テントを女性ごと近くの公衆トイレ裏側へ引きずりテント内を物色した。4時ころには別の公衆トイレから戻った30代男性がテント近くにいた熊と遭遇した。  最初にテントを襲われた東京都の会社員男性(60)は「とてつもない力でテントを引っ張られた。裂け目から外に出られたが生きた心地がしなかった」とへこんだ金属製水筒を見せた。けがをした女性のテントの隣で宿泊した神奈川県の会社員男性(69)は「テントを揺らす音と女性の悲鳴が聞こえた。しばらく寝られなかった」。  8日未明も中学生を含む親子3人が利用するテントの食料が荒らされ、キャンプ場周辺にわなを設置し熊が潜むササ薮近くにテントを設営しないように呼びかけた矢先だった。上高地の野生動物を研究する信州大学農学部の泉山茂之教授(61)は上高地のテントで熊によるけが人は「少なくともここ30年で初」とし「人を怖がらない熊が食料をあさった結果、テントと結び付いたのでは」と話した。

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