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御嶽・王滝頂上に噴火の痕跡 入山規制解除で登山者戻る

 御嶽山・王滝頂上(2936㍍)までの入山規制が解除された1日、王滝口登山道9合目から王滝頂上までをたどった。戦後最大となった平成26(2014)年9月の噴火災害を受け、シェルターが設けられて防災面が強化された一方、災害の痕跡も残る。被災した王滝頂上山荘は解体工事中で、御嶽神社奥社境内には今も火山灰が積もっていた。

 9合目から、ガレ場と階段が混在する登山道を20分ほど登ると頂上だ。火山ガスの臭いを少し感じた。山荘は解体が進んで2階の床が露出している。かつては70人ほどが宿泊できた木造2階建て建物の半分は取り壊しが完了した。登山者が立ち入ることはできない。
 すぐそばに鋼鉄製のシェルターがあった。30人が逃げ込める大きさだ。並んで立つ避難舎は、噴石対策として、防弾チョッキに使われるアラミド繊維で冬季避難小屋の屋根や壁を補強した建物だが「新型コロナ拡散防止のため有事の際以外は立入禁止」の看板が掲げられていた。
 御嶽神社奥社境内には、粘土のような火山灰が積もっていた。本殿前には、噴石の直撃で頭部が取れた像が残る。長時間の滞在を避けるために境内での飲食は禁止だ。
 王滝頂上からは、噴火で多くの犠牲者や行方不明者が出た尾根「八丁ダルミ」が見渡せた。村は、剣ケ峰山頂を通らずに王滝頂上から二ノ池方面に向かうルートを補修して、令和4年度にも歩けるようにする計画だ。それまでは八丁ダルミ方面に立ち入ることはできない。
 頂上エリアのあちこちに立つ看板は、規制ロープを越えると、災害対策基本法により罰せられることを伝えている。王滝頂上への立ち入り規制の解除は、その先に剣ケ峰山頂(3067㍍)までの登山再開を見据えている。「御嶽の復興は一歩ずつ」をあらためて実感した。

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