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大名の「おもてなし料理」 木曽の蔦屋が忠実に再現

 「食のタイムスリップ」はいかが│。木曽町福島の老舗旅館「おん宿蔦屋」が、江戸時代の大名が食べていた食事を味付けも含めて、ほぼ忠実に再現した「大名膳」の提供を始めた。広大な木曽を治めた代官・山村家が、参勤交代の大名をもてなしていた料理だ。山深い木曽の地で、伊勢エビやアワビといったぜいたくな海の幸も提供されていたことを伝える歴史そのものだ。

 献立は古文書の記述に基づき再現した。汁には、高級食材だったキジ肉で作ったつみれが入り、塩で締めたスズキやタイの刺し身は、日本古来の調味料「煎り酒」で味わう。こいこくやカジカの一夜干しなどは、木曽の素材を生かしている。
 総料理長の坂本憲彦さんを中心に、宿のスタッフと1年かけて完成させた。山村家の屋敷の一部が残る観光施設・山村代官屋敷(福島)に展示されている料理のレプリカも参考にした。
 だしが味付けを支える。古文書を読み解くと最高級の昆布や塩、かつお節がふんだんに使われていたことも分かった。坂本さんは「一品一品はシンプルな味でも、料理を組み合わせると重厚感がある。当時の料理人のセンスを感じさせる」と舌を巻く。
 料理は「木曽春慶」の名で知られる地元の八沢漆器で提供する。坂本さんは「料理の素材も器も本物。現代のレシピにも通じるルーツを味わってほしい」と願っている。
 1人前3万5000円(税別)で、2人から受け付ける。準備に1週間ほどかかるために予約が必要だ。
 問い合わせは蔦屋(電話0264・22・2010)へ。