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希少なチョウのジャコウアゲハ 塩尻の堅石で幼虫繁殖 百瀬元彦さんが食草育て保護

ジャコウアゲハの成虫。左が雄で右が雌(市自然博物館所蔵)

 塩尻市広丘堅石の農業・百瀬元彦さん(81)方の敷地の一角で、市レッドデータブックで準絶滅危惧種とされているジャコウアゲハの幼虫が大量発生している。百瀬さんが3年前から食草を植えて保護に取り組んでいるが「こんなにたくさん出たのは初めて」といい、貴重なチョウの生育を見守っている。

 ジャコウアゲハは羽を広げた長さが約10センチで、雄は黒色、雌は褐色の羽を持つ。幼虫はたくさんの突起が付いた黒と白の体が特徴で、つる性のウマノスズクサを食草とする。黄色いさなぎは「お菊虫」とも呼ばれる。市が平成18(2006)年に発行したレッドデータブックで「生息条件の変化によっては上位にランクされる可能性を有する」準絶滅危惧に区分されている。
 百瀬さんは3年前に、墓地だった敷地の一角にウマノスズクサを植えた。当初は高さ1メートル程度の垣根を作ったがどんどん伸び、今では3メートル近い棚になった。今年春に数匹のジャコウアゲハが棚の周辺を飛んでいたといい「卵を産み付けに来ていたのでは」とみる。今年は200匹以上の幼虫がおり、食草をもりもり食べて成長している。
 堅石には以前からジャコウアゲハの繁殖地があり、市の自然保護ボランティアらが、地権者に農薬散布や草刈りの制限を要望して環境保護に努めている。市内では食草が生える場所も減っているといい、繁殖地は貴重だ。
 周辺の石垣などに移動してさなぎになる個体も出始めており、7月にはたくさんのアゲハが舞う姿が見られそうだ。
 百瀬さんは「昨年はここまで増えなかった。周りのクモなどを退治して成虫も守ってやりたい」と目を細めていた。

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