連載・特集

みすず野2020.7.26

 旧制三高の寮歌といえば「逍遥の歌」だが、同じく♪紅萌ゆる―と始まる「月見草」をユーチューブで初めて聴いた。加藤登紀子さんが歌っていた。哀調たっぷりのメロディーに乗せて乙女の悲恋をうたう。女性が出てくる寮歌を寡聞にして他に知らない◆月見草の白い花を見るのも初めてだった。紙面に載った。豊科高家の三原正道さん(82)が50年も前から育てておられる。花は黄色だと思っていた。それは待宵草で、『花のことば辞典』(講談社学術文庫)にも本来は誤りとある。〈夕方ひっそり咲く花姿が片恋を連想させ〉花言葉は「ものいわぬ恋」◆住宅地に車を走らせると、ノウゼンカズラの花の赤みが勝っただいだい色が鮮やか。散っては〈朝夕の路上に赤い花だまり〉をつくる。きれいでも、掃くのが大変だ。こちらの花言葉は元気がよく〈夏空に向かって高鳴るラッパのイメージ〉で「夢ある人生」◆風邪をひいたわけでもないのに、ニュースを見るたびストレスで気がめいるという人も多いだろう。ネムノキやネジバナ、ヒマワリ...夏の花たちに元気をもらう。タチアオイもてっぺんまで咲いた。梅雨明けが待ち遠しい。