連載・特集

2020.7.12みすず野

 先週の朝日歌壇にかわいらしい歌を見つけた。〈10さいのたん生日なのに来なかった/まほう学校入学案内〉選者の寸評が振るっている。「○ちゃん、大丈夫だよ、ホグワーツ魔法学校は11歳からです」◆囲碁の小学生棋士、仲邑菫初段の元にも案内が届くだろうか。もしも入学したらハリーたちと同じグリフィンドール寮に入り、にらみを利かせて悪に立ち向かってくれそうだ。将棋界では高校生の藤井聡太七段が、タイトル獲得の最年少記録を懸けて16日の棋聖戦第4局に臨む。若い人たちの活躍に励まされる◆例年なら10日と11日は五社のお祭りだった。お城のお膝元に響くみこしを担ぐ子供たちの掛け声が今年は聞かれなかった。規模は大きくなくても身近な催しとあって、ぼんぼり飾りも打ち上げ花火もない夜の境内を前に寂しさが募る。城下の人々が言い伝える「暘谷様の涙雨」だけはしとしとと降った◆塩尻短歌館に七夕飾り―の記事で、職員らが詠んだという歌〈天の川毎年梅雨と知りつつもデート日ずらさぬ一途な二人〉も良かった。大丈夫、当地の七夕は月遅れだから。一途な二人にデートのチャンスはきっとある。

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