連載・特集

2020.7.11みすず野

 出身地を問われたら「博多」と答える。同じ福岡市でも、江戸時代の新興城下町「福岡」との違いを強調しているのだが、大抵めんたいこやラーメン、漫才の華丸・大吉さんでひとくくりにされてしまう。歓楽街の中洲は博多と福岡の境にある◆高校卒業までの18年間で、水害に遭った記憶はない。台風が近づいても九州全土を野球のホームベースになぞらえ「カーブかシュート。きっと福岡はそれる」と経験則から楽観していた。松本平の人が「北アルプスが盾になってくれる」と言うのと同様の県民あるあるだ◆今回の豪雨は「暴れ川」の球磨川や筑後川が流れる熊本県、福岡県南部などで多くの人命を奪った。ニュース映像で被災した人が「まさか」と声をそろえる。2年前の西日本豪雨や昨年の台風19号災害が記憶に新しいなか「想定外」で「数十年に一度」の「今までに経験したことがない」大雨がまた降った◆当地にも8日に特別警報が出た。防災や避難の情報を出す側も受け取る住民の側も、検証と意識の見直しが求められる。災害は忘れる間もなくやってくる。教訓を生かさなければと言うけれど、犠牲はあまりにも大きい。

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