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歯科受診者感染風評で減少 医院側防止策を徹底

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、歯科医院の受診を控える人が多くなっている。歯科医院では歯科医と患者の距離が近く、口の中を治療することから、飛沫感染が懸念されるとの風評が広がったためだ。ただ、必要な治療をしないで口腔を不健康なまま放置すると全身に悪影響を与えかねず、松本市歯科医師会は「感染防止策を徹底し、市民に定期検診や適切な受診を呼び掛けていく」としている。

 松本市歯科医師会(所属数138診療所)によると、感染の不安から受診を控える動きは3月ころから目立ち始めた。患者からの予約キャンセルが相次いだほか、歯科医院側も院内でのクラスター(感染者集団)発生を防ぐため患者の数を絞ったこともあり、多くの歯科医院で4月は例年より患者数が1~3割ほど減少し、中には例年の半分ほどになった歯科医院もあった。
 市歯科医師会は新型コロナの感染予防策として、電話で症状を聞き治療の必要性を判断するトリアージを行うことや、衛生物資の調達などを各医院に求めてきた。来院者の検温の徹底や待合室では間隔を空けて座るようにすることも求め、換気のため窓を開放するなど「3密」回避も呼び掛けた。歯科医師や歯科衛生士らはマスクだけでなく、フェースシールドを着用して治療に当たっている。
 市歯科医師会の大久保達人会長は「他の医療と比べても歯科治療はフィジカルディスタンス(身体的距離)が取りづらい」と話す。県内の歯科医院でクラスターが発生した例はまだないが、感染の「第2波」は遠からず来るとみており、大久保会長は「安心して受診してもらえることが何より重要。警戒を緩めることなく感染防止策を徹底していく」と話している。