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木曽川9ダム 洪水調節容量を5倍に 利水ダムも活用 今季から

 木曽郡内の木曽川水系9ダムの洪水調節容量が5倍に増強された。長野県を含む4県関係機関の協定に基づき、従来は洪水調節容量を持たなかった利水ダムも大雨の最大3日前から事前放流をして水位を下げ、下流の氾濫抑止に協力する仕組みが整った。細部を詰め、今季の大雨シーズンから運用する運びだ。

 郡内では水資源機構の味噌川、牧尾の2ダムと、関西電力の三浦、王滝川、常盤、木曽、伊奈川、読書、山口の7ダムが対象となる。これまでの制度だと、洪水調節容量は味噌川ダムの1200万立方メートルだけだったが、新たな仕組みでは最大約6228万立方メートルに増える。
 各ダムは、予想される雨量があらかじめ定めた基準降雨量を上回る恐れがある場合、必要に応じて事前に水位を下げる。郡内9ダムの基準降雨量は、味噌川ダムが48時間で210ミリ、その他8ダムは同230ミリとなっている。協定締結を先導した国土交通省木曽川上流河川事務所(岐阜市)は「雨の降り方などにもよるが、数十年に1度の雨に対する安全度が高められるのではないか」とする。
 昨年の台風19号災害などを機に、政府の検討会議が既存ダムの洪水調節機能強化の基本方針を策定し、各水系に治水協定締結を促した。木曽川水系では河川、ダム管理者や利水者などが3月から協議会で議論し、5月29日付で協定を締結した。
 利水ダムを含む事前放流の仕組み構築は、郡南部を中心に要望が出ていた。南木曽町の向井裕明町長は「スムーズな見直しで制度が構築されたことに感謝したい」と喜び「効果が発揮されることに期待したい」と話している。

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