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松本空港とともに40年 レストラン城下町

来店客と談笑する和子さん(左)と久さん
 県営松本空港のターミナルビルにある唯一のレストラン「城下町」が7月、開業40周年を迎える。高山久さん(79)と和子さん(76)の夫妻が家族やスタッフと一緒に、毎日定期便が飛ぶことから1年365日ほぼ休むことなく店を開けてきた。空港と一緒に歴史を刻みながら、昔も今も変わらず行き交う人を笑顔で迎えている。
 高山さん夫妻は空港に出店前は近くで食堂を営んでいた。久さんは珍しい飛行機が飛んでくると店が忙しい時も写真を撮りにいってしまうほどの大の飛行機好きで、ならばと昭和55(1980)年に空港に店を出すことになった。当初は通年の定期便はないのどかな時代だったが、平成6(1994)年のジェット化から10年の長野冬季五輪までは発着便数や利用者が大幅に増え、大繁盛が続いた。店内にお客が入りきらない状態で、みんなで必死に調理したのはよい思い出だ。  人気メニューのとんかつラーメンは、和子さんが余ったかつを入れたところおいしかったことから生まれた。松本空港を舞台に三谷幸喜さんが監督を手掛けたテレビドラマ「大空港2013」でも空港の名物として登場した。撮影のため、三谷さんから「朝5時までにかつを20枚揚げてください」と頼まれて夜中に準備したことは今でもよく覚えている。  新型コロナウイルスの感染拡大で、フジドリームエラインズ(FDA)が4月28日から定期便の運航を休止したのに合わせて休業した。まとまった休みは、ジェット化に伴う工事で空港が閉まった平成5年以来だった。40年間の営業を通じて全国各地に知り合いができたといい、運航再開を聞いて多くの人から「また行くからね」と連絡をもらったのが本当にうれしかった。  平成22(2010)年に日本航空が撤退した時は閉店も覚悟した。新型コロナで今も再び空港は厳しい状態にあるが、体が動く限りは店を続けたいと思っている。久さんと和子さんは「人とのつながりが財産。またみんなに会いたい」と声をそろえる。

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