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避難所の「3密」解消課題に 松本地震きょう9年

 松本市南部を震源とする最大震度5強、マグニチュード(M)5・4の「松本地震」が平成23(2011)年に発生してから30日で9年となる。揺れが強かった地域ではこの時期に住民参加の防災教室を続けてきたが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止される。感染予防の「3密」回避は災害時の避難所のあり方も見直しを迫り、死者1人、重軽傷者17人、6000棟を超す被害家屋を出した地震の教訓をどう生かしていくか、新たな課題が生じている。

 松本市は、新型コロナ対策を盛り込んだ県の指針に基づき、避難所開設・運営ガイドラインの改定作業を進めている。156の指定避難所ごとに体温計やアルコール消毒液、避難所運営者が使うフェースシールドを配備する方向で検討しているが、対策の基本となる3密回避のため、避難者を収容できる場所の増設が課題となっている。
 避難所で3密回避策を講じると、収容人数は大きく減る。県の想定だと、避難所で世帯間の間隔を2メートル広げると、例えば従来の収容人数168人が86人しか入れなくなる。このため市危機管理課は、町内公民館を避難所として利用できるよう、7月8日の町会連合会常任理事会で協力を求める。
 市内の旅館協同組合でつくる「市内旅館組合連合会」と市は、災害時のホテル・旅館の空き部屋提供などを盛り込んだ協定を結んでいる。ただ、締結から10年以上経過しており、協定の内容を再確認する作業も進めている。
 市民には可能な限りでの親せきや友人宅への避難の検討を呼び掛ける。百瀬朋章課長補佐は「なるべく早く体制を整えたい」とし、風邪症状のある人を受け入れる専用スペースの設置なども盛り込んだマニュアルを7月中旬にも改定する予定だ。

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