政治・経済

ならい荘の後利用決まらず 奈良井宿の元保養施設 塩尻市が再検討へ

 塩尻市が土地建物を所有する元保養宿泊施設・ならい荘(奈良井)が平成27(2015)年10月に閉館してから、今秋で丸5年になる。この間市は複数回にわたり財産の売却や無償譲渡を検討したが引き取り手はつかず、後利用は宙に浮いたままだ。現在建物は、国道19号桜沢トンネルの工事請負業者の寝泊まりに使用されているが、6月末で貸付期間が切れるといい、今後再び活用や処分方法の検討が必要となる。

 木造瓦ぶき3階建ての延べ1295平方メートルで、昭和55(1980)年、旧楢川村直営の保養センターとして建てられた。今年で築40年になる。敷地面積は5249平方メートル。
 平成17年、市と楢川村の合併に伴い土地建物が市に引き継がれたが、たびたびの債務超過に陥り、24年に建物が松本市の不動産業・望月地所に売却された。しかし宿泊客不足などから収益が伸びず、同社は平成27年10月に施設を閉館、翌3月に撤退し、ならい荘を市に返還した。
 市は当初、物件の売却先を募ったが買い手がつかず、29年には無償譲渡に方針転換した。しかし応募は無かったという。そんな中、同じ楢川地区内で進む国交省の国道19号桜沢バイパス建設事業で、24時間体制の桜沢トンネル掘削工事が予定され、請負業者の宿泊施設が必要となった。市は29年7月から、ならい荘を業者に貸し出し、3年にわたり使用されてきた。
 6月末で貸付の契約を終えた後は白紙の状態で、財政課は建物の保存と解体、両面の可能性に触れながら「今後公営で利用する考えはない。民間の知恵や活力の活用を探りたい」とする。地元の意向や新型コロナウイルスに絡む社会情勢も見極める中で「しかるべき時期に方針を出したい」としている。

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