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有明に小水力発電所計画 穂高温泉郷源泉への影響懸念

 安曇野市穂高有明の中房温泉周辺で小水力発電所の建設計画が持ち上がっている。信濃電力開発(群馬県高崎市、長井友之社長)が中房川の水を上流部のえん堤から取水し、75・1メートルの落差を利用してタービンを回す。これに対し、現場近くの河床部の源泉を使う穂高温泉郷の関係者は取水による湧出量の減少を懸念しており、28日には、双方の意見を聞く公聴会が豊科公民館で開かれた。

 信濃電力開発は水力発電装置の開発を手がける「日本発電」(東京都)や、中房温泉を営む百瀬孝仁社長などが出資して平成28年に設立された。最大出力199キロワットの発電所を令和3年春から建設し、令和5年春に本格稼働する計画だ。
 穂高温泉郷が利用する源泉は現場近くの河川内で自然に湧き出ている。公聴会では、穂高温泉供給など関係者5人が公述し「温泉が地域に与える恩恵は非常に大きい。慎重かつ丁寧な検討を加え、温泉受湯者を含めて理解を得ることが重要だ」としてリスクの検証、湯量が減った場合の責任の考えを聞いた。
 これに対し信濃電力開発は過去の調査から、川の水量が減ると温泉の湧出量も減る傾向にはあるが、引湯量に影響が出ない範囲内で下げ止まるとの見方を示し「源泉への悪影響はないと考えている」とした。長井社長は「万が一、小水力発電の取水による悪影響の発生がはっきりした場合には取水をやめる覚悟がある」と述べた。同社は受湯者への説明を必要に応じて積極的に行う考えを示した。
 公聴会は約50人が傍聴した。市は今後、同社から土地利用条例に基づく事業認定の申請を受けて事業を告示し、意見書の提出を受け付ける。その後土地利用審議会で審査を行い、認定の是非を判断する。

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