政治・経済

松本市政変革に力 臥雲市長が就任3カ月

職員との打ち合わせで書類に目を通す臥雲市長(26日)

 松本市の臥雲義尚市長(57)が28日で就任3カ月を迎える。市長選挙で訴えてきた「静から動へ」「継承するべきは継承し、変革するべきは大胆に変革する」を体現するかのように、市役所の防犯カメラ作動停止や松枯れ対策薬剤の空中散布中止など、矢継ぎ早に変革の姿勢を打ち出してきた。新型コロナウイルス対策のスピード感ある対応に定評がある一方、旧来のルールにとらわれない手法に職員や市議会に戸惑いもあり、信頼関係の構築は道半ばにある。

 上着を着用する職員の襟元から、前市政の最重要施策「健康寿命延伸都市」をアピールするピンバッジが消えた。臥雲市長に対する恭順の姿勢とも忖度とも言われている。ある男性職員は「都市宣言までしているので本当は付けるべきなんだろうけれど‥」と後に続く言葉を濁した。
 臥雲市長は就任直後から、公約実現を強く意識した変革を断行してきた。職員の定期異動と組織再編を半月遅らせ、6月が通例と言われてきた副市長選任の市議会臨時会も4月に招集した。異例の対応で、旧来のルールにとらわれず、スピード感の重視と形式主義を徹底的に排除する姿勢を貫いている。
 熟議を重ねて結論を導き出してきた前市政に比べ、意思決定までのスピードが格段に上がった一方、「多事争論と言いながら結論ありきで物事を進めている」との声は強い。ある男性職員は「熟議を経ずにすぐ決めてしまう姿勢が防犯カメラ問題のようなことになった」と指摘した。
 市役所7カ所の防犯カメラは市議会で賛否の議論を経て設置が認められてきた。臥雲市長は就任早々、人権上の配慮を理由に市議会に相談せず作動を停止させ、市議会の反発を招いた。説明責任を果たすよう、村上幸雄議長が異例の声明を出す事態にもなった。
 わだかまりは消えていない。市議会6月定例会の一般質問でも臥雲市長の政治手法に苦言が呈された。臥雲市長は「公約を進める上で職員との信頼関係は不可欠。さらなる信頼関係を醸成するよう努める」と応じた。
 今後、政策的経費を伴う事務事業の棚卸しや新庁舎建設計画の見直しなど公約実現に向けた動き、新型コロナウイルスの感染拡大で停滞した社会・経済活動を活発化させるための取り組みが本格化する。変革のスピード感と信頼関係の構築をどう両立させていくのか手腕が問われる。

連載・特集

もっと見る