政治・経済

塩尻市 一律10万円給付 完了へ

給付金の支払い済みデータを再確認する職員たち。当初に比べ事務作業も落ち着いてきた

 国民に一律10万円を配る「特別定額給付金」の塩尻市内の支給が17日現在、2万6349世帯(93・8%)に上り、5月7日の支給開始以来、1カ月余りでほぼ完了する見通しとなった。全国的な遅れやトラブルが報じられる中、市は今春発足させたRPAチームを核に、デジタルとアナログを使い分けた独自の給付体制を確立。部局横断的な連携を図りながら、迅速な対応を可能にした。

 国がそれまでの方針を一転し、一律10万円の給付を閣議決定したのは4月20日だった。市は即日支給方法を検討し、業者委託を想定したが、多くの自治体から発注が集中して支給開始が6月にずれ込むことが懸念された。そこで独自のシステム開発を決定し、22日に骨子の作成に入った。
 緊急を要する給付金との位置付けから支給開始を大型連休明けに定め、一般的とされる「定時払い」ではなく「随時払い」が適当と判断した。定めた日や曜日でなく毎日の振り込みに対応する。事務作業は増えるが、市民に給付金が届くスピードが格段に速まった。
 この間、庁内では8課の職員で編成するRPAチームをはじめ、部局横断的な連携が随時図られたという。RPAとは事業プロセスの自動化技術を指す。業務の効率化や働き方改革を推進するため発足したチームを中心に、オリジナルの申請書を作成し、バーコードを活用して作業を合理化するなど国の標準様式にとらわれない柔軟な発想で体制を整えた。
 一方でデジタル偏重ではない。全国的にはオンライン申請が推奨されたが、市は紙媒体の信頼性を重視して手作業や目視を随所に取り入れ、トラブルの発生を防いだ。
 情報政策課の小澤光興課長は、自治体ごと規模や実情に見合った方法があり正解はないとした上で「柔軟な発想やチームワークが結果的に市民に還元されたのであればうれしい」としている。

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