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2020.6.1 みすず野

 6月の声を聞くと、すぐ頭に浮かぶのは衣替え、梅雨入りである。近年はクールビズが定着し、5月のうちからノーネクタイのビジネスマンも多いことから、きょう一斉に衣替え、という感じはしなくなったものの、白いシャツや半袖姿は爽やかだ◆梅雨入り前の5日は、二十四節気の芒種。「芒」はイネ科植物の穂先にある針のような突起を指し、この穀物の種をまく時季と同時に、田植えを始める目安とされた。カマキリの卵から小さな子が何百と出てくるのもこのころ。せんだって同級生の女性が、家の庭木に産みつけられていた卵から生まれ出る様子を、LINE(ライン)送信してくれた◆カマキリは外見とは裏腹に、人間にとって害虫を食べてくれる益虫のようである。作家の徳冨蘆花が東京・千歳村(現在の世田谷区)に移住し、田園生活に入ったのは明治40(1907)年。その5年後6月の随筆「麦愁」では「外は今にも降りそうな空の下、一村総出の麦収納。(中略)労働の報酬が今来るのだ。嬉しい筈」と録している◆そう、麦秋が近い。当地も転作田で広く麦が作られている。食べ物では梅が実るころを迎える。

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