地域の話題

四賀に古民家宿 本陣小澤家の改修完了 今夏開業

 松本市四賀地区の保福寺町にある旧本陣「小澤家」を宿泊施設に再生する改修工事がこのほど完了した。観光や農業など市内16の団体・個人でつくる「アグリツーリズム四賀推進協議会」が今夏に宿泊施設として開業し、地域活性化に寄与する観光資源として歴史的建造物を保存・利活用する事業をスタートさせる。

 小澤家は、松本平から上田に至る旧江戸街道保福寺宿の中ほどにあり、江戸時代に松本藩主が参勤交代の道中、休憩に利用したこともあるという由緒ある建物だ。小澤家の親族が所有していたが、ここ10年ほど空き家状態になっていた。所有者が、地域の財産を朽ちさせまいとする再生事業の趣旨をくみ、協議会の中核団体に所有権を移譲した。問屋として栄えた名家の風格を残す間口11間(約20メートル)、奥行き10間(約18メートル)の木造一部3階建て母屋と、昭和初期に建てられた洋館の離れを半年かけて改修した。
 かつて殿様が休んだ15畳の奥座敷など藩主専用の大玄関から臨む大広間は、母屋の中でも特に格式高い空間として、当時のままの趣を残した。事業費は約8000万円で、うち4割を国の農村漁村振興交付金で賄った。客室としては、計4組を受け入れられる動線を整えた。
 電動自転車で地区内の林道を巡る企画など、宿泊者が住民と交流しながら自然や歴史文化に触れられる体験も考えている。小澤家の利活用に向けた事業の発起人で、協議会の代表を務める公認会計士・望月なつえさん(39)=会田=は「地域の方に喜んでもらえる事業に取り組み、価値ある建物を後世に残していきたい」と話している。
 6月6日に地元保福寺町会や殿野入町会の住民、関係者向けの内覧会を開く。