地域の話題

乗鞍大雪渓に長大クラック 群発地震原因か

 春・夏スキーのメッカとして知られる長野、岐阜県境の乗鞍岳の大雪渓に長大なクラック(割れ目)が生じていることが、21日までに分かった。長さが約200メートルで、幅は最大2~3メートル程度に及ぶ。上高地周辺で先月22日から続いている群発地震が発生原因の一つとして考えられるという。地元ののりくら観光協会は、山スキーなどで割れ目に落ちる危険性があるとして、注意を呼び掛けている。

 大雪渓は、最高点の剣ケ峰(3026メートル)から肩ノ小屋にかけての県境稜線東側(松本市安曇)にあり、標高2600~2800メートル前後に広がる。夏でも雪が残る。
 上部の岩場付近に例年、雪がずり落ちて長さ20メートル、幅1メートル、深さ5~7メートルほどのクラックが生じるが、見つかった長大なクラックは例年のクラックを延長するように南北に続いているという。14日に観光協会や国、市の関係者が大雪渓に設置してある安全ロープの点検に訪れ、発見した。
 のりくら観光協会の福島眞会長(68)は「これほど大きなクラックは初めて見た」と驚く。上高地付近の群発地震では4月23日に最大規模のマグニチュード(M)5・5の地震があり、乗鞍岳周辺も揺れ続けている。福島会長は「地震が原因ではないか」とした上で「一帯の傾斜は緩く安定しており、雪崩につながる可能性は高くないと思うが、割れ目への落下を含め周辺での事故に十分注意してほしい」と話す。
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、北アルプスでは7月中旬まで登山自粛が続き、現在大雪渓を滑るスキーヤーはほとんどいない。ただ、6月以降、乗鞍高原で閉鎖中の各駐車場は徐々に利用可能になり、乗鞍山頂部への路線バスも7月1日に運行開始予定だ。市山岳観光課は「クラック部分は滑走可能範囲内だが、安全のため付近になるべく近づかないようお願いしたい」としている。

連載・特集

もっと見る