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上高地一部の宿営業再開 路線バスも観光客まばら

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、観光・宿泊施設に対し、県が行ってきた休業検討依頼が15日で終了したことを受け、松本市安曇の山岳景勝地・上高地で16日、一部の宿が営業を再開した。アルピコ交通上高地線の新島々駅と上高地を結ぶ路線バスも同日、1日3往復のみ再開し、上高地を散策する人も少数ながら訪れた。

 アルピコ交通は、再開する宿の従業員や県民などの移動手段として本数を絞って運行を始めた。新島々駅から上高地に向かう路線バスの初便は3人が乗車した。新島々駅から利用した2人は備え付けの消毒液を手に付け、マスクをして乗った。同社は運転席と客の席との間に飛沫感染を防ぐ透明なシートも設けた。初日の利用は少なかったが同社新島々営業所の辻善弘所長は「雨の予報だったこともあるかな」と受け止めた。
 河童橋は閑散として人けがほとんどなく、橋の上は猿の群れが行き交っていた。歩いて釜トンネルを抜けて上高地に入った塩尻市の女性(71)は「こんな静かな上高地は初めて」と驚きつつ日帰りで明神方面へ向かった。
 河童橋の隣にある上高地ホテル白樺荘は、宿泊人数を制限するなど感染拡大防止策を徹底し、同日に宿泊やショップなどを始めた。上高地インフォメーションセンターが開館したほか、売店とレストランのみを営業している宿もあった。乗鞍・上高地地域へ続く国道158号沿いでも道の駅「風穴の里」が営業時間を短縮して再開するなど県民らを迎える動きが始まった。
 ただ、政府は緊急事態宣言を解除した39県でも、今月中は県をまたいだ移動を控えるよう求めている。県も16日から東京都や大阪府などの特定警戒都道府県から人を呼び込まない運営の検討を観光・宿泊施設に依頼した。ただ、この日も関西から上高地を訪れた人はいた。感染拡大防止の観点と、採算面からも上高地の多くの宿は当面の間、休業を続ける。

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