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樹木墓地の生前申請相次ぐ 松本市の中山霊園

北アルプスの山並みが眺望できる樹木式埋蔵場所

 松本市が市中山霊園の合葬式墳墓で4月に生前の受け付けを始めた、シンボル樹木(シダレザクラ)の周囲に遺骨を埋葬する「樹木式埋蔵」の申し込みが1カ月間で30件と相次いでいることが、市のまとめで分かった。新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が求められる中、市は「家族で今後のことを話し合う機会が増えて申し込みが多いことも推察される」とする。

 樹木式は平成29(2017)年10月に利用が始まり、これまで遺骨がある人だけが利用できた。シンボル樹木の手前に広がる芝生面に960体分の埋蔵区画があり、今年3月末までの2年半で160体が埋蔵された。
 樹木式の受け入れには余裕があるため、市は市民の多様な墓地需要に応えようと、市霊園条例を改正して生前の申請受け付けを始めた。同じ合葬式墳墓のうち、もともと生前の受け付けを行っていた屋内型で生前の割合が34%を占めていることもあり、一定の需要があることは分かっていた。環境保全課は「30件は予想以上。ただし年間を通じてこの数字が続くとは思っていない」とみている。
 合葬式墳墓が利用できるのは松本市に住所や本籍がある人に限られる。樹木式は北アルプスの山並みが眺望できる好立地にあり、市によると、山が好きな大都市圏の住民が「山の見える場所で永眠したい」と利用を希望するケースもある。生前申請を受け付けた30件は高齢者が多く、「子に迷惑をかけず(遺骨の)行き先が見つかった」と表情を和らげる人もいるという。
 樹木式の使用料は松本市に住民票がある人は11万円、本籍があって市外に住んでいる人は13万7500円となる。管理料はかからない。環境保全課は「現場を見て家族で話し合って検討してもらえれば」としている。