連載・特集

2020.5.21みすず野

 「われわれがいまいる場所は、長いトンネルの入り口なのでは」と知人が口にした。これからそのトンネルに否応なく入る、というのだ。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相は「緊急事態宣言」を発する際、解除後「V字回復」させるためだ、と述べた◆だが、経済のV字回復は望むべくもなく、それどころか今後、長い停滞に陥るだろうとの声しきりである。内閣府が発表した国内総生産(GDP)の年率換算は3・4%減。4~6月期に限ると、戦後最悪の落ち込みも予測されている。政府の経済対策はあまりにスピード感に欠け、検察官の定年延長の法改正などに腐心している場合ではない◆コロナの激震度は、業種によって異なる。深刻とされるのがホテル・旅館業、そして輸送業。人の移動がこれだけ制限され、宣言解除後も自粛ムードは続く。インバウンド(訪日外国人旅行客)に頼っていたところの厳しさは、想像に難くない。逆にスーパーは外出自粛によって追い風という◆懸念されるのが倒産、失業の連鎖、生活困窮者の増加である。国や自治体の税収も減るから財政悪化が避けられず、さてどうする。

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