連載・特集

2020.4.9みすず野

 記録にある限り人類が最初に遭遇したインフルエンザの大流行(パンデミック)は、ほぼ100年前の「スペイン風邪」だ。3年間に世界で5億人が感染、死者は5000万人にも達したとされ、史上最悪の感染症となった◆高齢者より若年成人の死亡率が高かった。日本国内では45万人が死亡したという。それほど猛威を振るったスペイン風邪を、人類はどう乗り越えたのか、なぜ収まったのか。当時の内務省衛生局が編集した記録が残る。病床は満杯、商店や工場は休業、学校も休校、興行や活劇中止、火葬場は処理能力を超えてしまった◆「予防心得」としては、人混みを避け、マスクを着用し、うがいを励行するなど。これらを見る限り、いまの新型コロナウイルス対応とそう変わらない。ただ当時の科学、医療水準は現在と比較にならないほど低く、情報量も少ないため、人々は恐怖におびえ、神頼み状態だったらしい◆これほどのスペイン風邪も終息した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を受け、私たちはできる範囲で人と人の接触機会を避け、外出を控え、医療現場を守り、一日でも早い終息を迎えたい。

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