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東京五輪1年程度延期でも塩尻の木曽漆器職人 記念品制作思い込め継続

大会記念品のおわんの製作をする西野さん。「延期になっても込める気持ちは変わらない」と話した。

 国際オリンピック委員会(IOC)と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は24日夜、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、東京2020大会の延期を発表した。塩尻市では楢川地区の木曽漆器が公式ライセンス商品などになっており、職人らは驚きつつも「妥当な判断」と比較的冷静に受け止め、25日も1年後の開催に希望を託して製作に打ち込んだ。

 東京2020大会記念品プロジェクトでこのほど、独自技法の「繧繝塗」のおわんのペアが記念品に選ばれた西野うるし工房代表で伝統工芸士の西野孝章さん(50)=木曽平沢=は「明日(26日)からペアのもう一方のおわんを塗り始める予定だった。延期は最善の策だと思う」と話し、「1年後に開かれればより大きな喜びで盛り上がるはず。込める気持ちは変わらない」と工房で作業を続けた。
 昨年12月下旬に公式ライセンス商品として「漆塗蒔絵かんざし」を発売した龍門堂の手塚均社長(49)=贄川=は「引き合いが結構あり、当初予定していた25本から40本に増産したところだったので、水を差された感じはある。2020のロゴは変わらないと聞いて安心はしたが、今後どうなるのか」と心配した。
 26日に公式ライセンス商品として「漆塗りマグネット」が発売される未空うるし工芸代表の塗師・岩原裕右さん(41)=木曽平沢=は「中止ではなく延期なので、大きな変わりはないと思う」と冷静に受け止めた。
 小口利幸塩尻市長は、経済への影響を心配しつつ「今やっても混乱するだけ。1年以内に開催できればいい」と述べた。

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