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ホテル・旅館危機感募る 東京五輪延期を検討

 7月に開幕が予定される東京五輪の開催延期について検討が始まり、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている中信地区のホテルや旅館が、その動向を注視している。本格的な観光シーズンを迎えるが、4~5月の宿泊予約は前年を大きく下回っているところが多い。五輪開催に伴うインバウンド(訪日外国人旅行)の増加によって落ち込んだ利用の回復を期待していたものの、先行きはますます不透明になり、危機感を募らせる。

 ホテルチェーンはここ数年、東京五輪によるインバウンドの増加を見込み、全国で新規開業を進めてきた。松本市街地でも2月に約330室の東横イン松本駅東口(深志1)、今月も約100室のザ・セレクトン松本(城西1)が開業した。
 ただ、供給過剰の一方で新型コロナの影響により観光、ビジネス両面で需要が減少し、京都などの観光地では宿泊料の値下げ競争が始まっているという。松本ホテル旅館協同組合の小林磨史理事長は「松本でも同じことが懸念される。オリンピック後に心配していた反動が先に起きつつある」と警戒する。
 浅間温泉では例年、春の大型連休は予約で満室という旅館がほとんどだが、今年は予約が落ち込んでいるところが多い。団体客を受け入れている規模が大きな旅館ほど影響が顕著で、5月以降の予約が前年の半数になっているところもある。
 市民タイムスが地元企業を対象に年末に行った東京五輪の意識調査では、インバウンドの動向について、宿泊事業者からは「東京に集中して地方は減少」「地方も増える」などと見解が分かれていた。浅間温泉観光協会の寺沢健専務理事は「五輪の影響は計りかねていたが、延期(の検討)でより見通しが立たなくなった」と話す。
 温泉街では今後、経営母体を変えて旅館2軒が改装開店をする。旧ホテルおもと(浅間温泉3)はインバウンドの利用も見込める形に業態を変えて7月に開業する予定だ。運営会社のWAKUWAKU浅間温泉の岡嘉紀社長は「ゼロからスタートするので、五輪延期(の場合)はチャンスと捉えたい。開催に向けて準備をしっかり進める」と前を向く。

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