連載・特集

日常に「楽しい!」をもっと⑪

大人の背中
 この連載で、根底に据えたキーワードは、「子ども」「遊び」「大人」でした。いろいろと書いてきましたが、一言で言えば、遊びのあるライフスタイルって良いと思いますよ、という提案です。

 私が代表を務める一般社団法人グローバルけん玉ネットワークの理念は、みんなの日常に「楽しい!」がもっとある社会づくりに貢献することです。年齢も、性別も、国籍も、文化的背景やハンディキャップの有無も超えて、みんな、です。
 けん玉を通じてそんな未来づくりに貢献したいと、大げさに言えばけん玉に人生を捧げることになったわけですが、大きなきっかけの一つが、学生時代のヒッチハイクでの日本一周でした。けん玉を広めるため、リュックサックにけん玉を詰めて全国を回り、ストリートパフォーマンスや、通りかかった学校等での"アポなし"けん玉教室を続けた50日間。出発前は、けん玉のことしか頭になかった私でしたが、ヒッチハイクやけん玉教室、また、自宅に泊めて頂くような出会いを通じ、人がつながることで世の中ができているんだと知る経験になりました。また、そこから大学卒業後の進路を考え、結果、青年海外協力隊に参加しました。
 ヒッチハイクでは、初めて会う多くの大人と話す機会に恵まれました。忘れられない出会いの一つが四国で乗せてくれたトラックの運転手さん。運転中、携帯電話でだれかと話しながら(2004年の法改正前)、めちゃくちゃ楽しそうに笑っている姿が印象的でした。一緒に過ごしたのはほんの数時間でしたが、40歳の運転手さんは当時20歳の私が持っていた大人像とは違い、こんな風に笑って過ごせる40歳になりたいという憧れを感じたことを思い出します。
 子どもが、自分より上の世代や大人の背中を見て、憧れを持って成長するという循環が続けば良いなと思います。子どもたちから「できた!」「楽しい!」「もっとやりたい!」という声が増え、大人になること自体に憧れを持てる世の中を作るには、大人自身がもっと遊び、楽しんでいる姿を見せることがとても大切だと思います。
(グローバルけん玉ネットワーク代表=松本市)

連載・特集

もっと見る