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大震災9年 思い新たに 忘れない 各地で黙とう

 東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から9年となった11日、松本地方の各地で、震災が起きた午後2時46分にあわせて黙とうがささげられた。多くの市民が静かに目を閉じて犠牲者に祈りをささげ、被災地の早期の生活再建を願った。震災直後に過酷な現場で活動した自衛隊員らは、記憶を風化させてはならないとの決意を新たにし、被災者に思いを寄せていた。

 松本市高宮西の陸上自衛隊松本駐屯地では、朝と黙とう開始約5分前に、駐屯地内に放送を流して隊員らに黙とうをするよう呼び掛けた。訓練をしていた隊員たちも発生時刻が近づくと動きを止め、被災地となった東北地方に体を向け、帽子などを脱いで1分間黙とうした。
 大震災の直後に被災地に入り、宮城県南三陸町などで行方不明者の捜索や物資の輸送に携わった青柳竜太3曹(30)は「被災地では津波警報が鳴りっぱなしで、その中での活動で恐怖心もあった。だが一刻も早く行方不明の方を見つけてあげたいという気持ちで取り組んだ」と思いおこした。
 北原茂1曹(47)は通信小隊として福島県郡山市に入り、捜索部隊と本部をつなぐ通信の確保や、被災地での捜索活動などにあたった。「捜索の中で、行方不明者の家族の方から話を伺うこともあった。不安な声を聞くたびに自分のことのように胸が痛んだ」と振り返った。
 震災から9年がたつが、青柳3曹は「とにかく早期の復興を願い、震災の記憶を風化させないよう被災地に思いをはせ続けたい」と話し、北原1曹は「自分の子供たちにも震災のことを伝えるなどして、次の世代にも記憶を引き継いでいきたい」と誓っていた。

 松本市役所でも震災発生時刻の午後2時46分にあわせ、犠牲者に黙とうがささげられた。市職員や来庁者が1分間、目を閉じて静かに追悼した。
 事前に市公式ホームページで市民にそれぞれの場所での協力を依頼し、当日は庁舎内の放送で呼び掛けた。職員も業務の手をいったん止めて黙とうし、祈りをささげた。市危機管理部の森本千嘉部長は「失われた命を次世代へつなげるためにも、この節目を防災対策について考え、行動する機会にしてほしい。折に触れ啓発したい」と話した。

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