連載・特集

みすず野2020.3.23

 言われてみればである。少し前までは、レストランや食堂で一人で食事をしている人を見ると、寂しいだろうなと思ったものだが、いまはそう感じない。日常の消費活動を一人で行う「ソロ活」男女が増え、カラオケ、コンサート等も温度差のある人と行くより楽しい、という◆欧米は、結婚しなくても親密なパートナーを求め、必要とする社会らしいが、日本はパートナーなしでも楽しく生活できる仕組みが出来上がってしまった、と家族社会学者の山田昌弘さんが分析している。その行き着く先は「結婚不要社会」だと。行き着き先というか、すでにそうなりつつあるのではないか◆半世紀前は、3世代家族が当たり前だった。25年前は、夫婦と子ども2人の核家族が標準世帯であった。現在は単身世帯が最も多く、20年後には4割超が一人暮らしになると予測されている。まさに消えゆく家族。最後に頼れるのは家族、という時代ではなくなりそうである◆と考えると、結婚はどこへ行ってしまうのだろう。少子化問題どころの騒ぎではなく、私たちはいま、とんでもない社会の入り口にいて、目をそむけているだけかもしれない。

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